ネオアンジェリーク 天使の涙が発売されてから1月ほど経ちました。
忙しさにかまけて、実はニクスさんしか攻略できてなかったんですが、今日一気に、ルネ、ジェイド、ヒュウガ、カミーユと攻略しました。
どんな作品にも、好きな人がいる。そういう思いから、作品に対する直接的な批判はなるべく…このブログでは避けてきたつもりです。
ですが…ごめんなさい…この作品については、どうしても堪えきれない思いがあふれてきて…。
タイトルに注意書きの上、書かせていただきます。
ネガティブ発言が苦手な方、傷ついてしまう方もいらっしゃると思うので、そういった方はこの先は見ずに回れ右でお願いしたいと思います。また、ゲームのネタバレも含みますので、それが苦手な方も回避していただければと思います。
※なお、全員攻略前ですので、攻略後にまた記事を書き直す可能性がある旨、ご承知おきくださいませ。
まず、最初に言っておきたいのは。
私はネオロマ作品では、嫌いな作品が一つもなく。
どの作品にも、それぞれ想い出や思い入れがあって。
ネオアンもとてもとても。本当に大好きな作品だということ。
ですので、新作が出るとしって、このブログでも、それを以前にもお祝いしました。
期待半分、不安半分だったのが正直なところ。
たとえコーエーテクモさんからの発売でなくても、きっと新しい意味でのネオアンを生み出してくれると信じて。
でも…5人攻略した時点で…。
今思うのは…「攻略するのがつらい」…ということ。
「攻略が終わるのが勿体ない」という意味の「つらい」ではなく…今まで大切にしていた世界感の輪郭が、少しずつ、朧になっていくような、恐怖。それが、つらい。
私見ですが…ノベルゲームは、その描写だけで読み手を引き込むような繊細な心理描写。
そして、ト書きの部分は、その描写だけで、光景を瞼裏に描けるような情景描写。
それらがあって然るべきだと思っていました。
しかし、そこはゲーム。
映像と音声をフルに使える状況で、描写がうるさすぎる場合もあると思います。
その場合は、いかにゲームならではの演出を上手く利用できるかどうか。それにかかっていると思っています。
それが、本作の場合は…。
それらが、いずれも疎かになっているような…そんな印象を受けました。
新キャラ、カミーユは宇宙意思のエルヴィンが初対面から警戒する相手。
前作では、きちんと自分の持つ責任の重さを、理解している子でした。
しかし、本作のアンジェは、深く考えずに、ニクスやほかのメンバーの迷惑も顧みず、同居することをあっさり承知してしまいます。
そして、同居人だからといって、アルカディアの存続にかかわる深い事情に簡単に頭を突っ込ませるオーブハンターの面々。
正直、登場人物達が何を考えてこんな行動をとっているのか、理解できなかった…。
敵の描写も…「モンスター」という普通名詞だけ。
なんのモンスター像もカットインもなく、キャラの立ち姿とSEだけで繰り返される戦闘。
逆に必要ないところは、しっかり文章で説明していくト書き。
そんなの…状況と絵を見たら説明されなくてもわかる…そんな場面にさえ入るト書きに読むテンポを崩される…。
そのほかにも…。
海を怖がらないニクス。
唐突に、なんのイベントもなく女王の力を覚醒させるアンジェ。
「女王の卵だから、大変だとは思うけど頑張って」というベルナール。
「女王の卵なんていう名前じゃない。君は君だ」と泣きそうな声で言ってくれた、兄さんはどこへ…?
何だか、祈っただけで、あっさり倒されるラスボス。
ハンナ・サリー以外の一般人の雑さ。ビジュアル一切なし。
その他のシーンでも、アンジェの力が、何だかご都合主義に過ぎる具合に便利に利用されている。便利だな、女王の卵…と思わずにいられない。
……よくわからないまま、ルートごとに出てきたり出てこなかったりするエレンフリート。
最初から全力でデレているににも激しい違和感。
また、返事ができない一方的なメールのやりとり。
サルーンでの、ワンパターンしかできない料理、会話。意味のない親密度の上下。
そして、何より。私にとってつらかったのはジェイドルートでの展開。
アンジェが女王となる選択をし、ジェイドを待つことで、100年の孤独を受け入れるシーン。
描写を見るに、本当に、アンジェは聖地でたった一人だったようです。おそらく、100年間ずっと。
別作品ですが、ここで思い出したのが、「ぼくの地球を守って」。
シオンというキャラクターが、最愛の人を失った後、月にたった一人残される話を思い出しました。
彼が、9年間の孤独に耐え切れず、発狂するシーンが出てきます。
アンジェには、いつかジェイドが帰ってくるという希望があったかもしれませんが…それでも、一人で、100年です。
いくら使命を背負っているとは、いえ、十代の傷つきやすい繊細な少女を…アンジェを。そして、ジェイドを。
100年の孤独に追いやる展開が、どうしても納得ができなかった。
しかもそれをさらっと描いているのが、ことさら…。
シナリオ上、どうしてもそうする必然があって…というなら、まだわかります。
しかし、他のルートと比較するに、そんな必然があったとは到底思えない。(だってあっさりお祈りで倒せるラスボスですもの…)
読んでいて、つらくて仕方なかった…。
アルカディアは、私がこのネオロマの世界に初めて触れて、そして今も導き続けてくれているきっかけとなった、コレットが育てた、大切な地。アリオスとの、再会の地。
そのアルカディアの地を、中途半端な覚悟で、踏み散らされていく。
そんな風に感じてしまいました…。
自分が神経質に過ぎるんだろうな…と思います。
何を大袈裟に…と思われる方がほとんどだと思うのです。
だけど、今作はどうしても、正直な心情を、吐き出さないと、辛かった…。
これは、私の一意見に過ぎないので、勿論純粋に楽しまれて方もいると思うのです。
私も、純粋に彼らにもう一度会えたのは嬉しかったし、それぞれきちんと、きゅんとなるポイントもあった!
新作を作ってくださったことは、本当に感謝感謝なのです。
…それなのに、本当にグダグダ言ってしまってすみません…!!!!!としか…!!!
ですので、まだ未プレイの方は、私の意見を鵜呑みにせず、是非自身の感じたままのアンジェを楽しんでいただければと思います。
これで、ネオアンが終わりではなく。
また、希望のある展開が次にくることを祈ってやみません…。
正直、某メイトさんから出ると聞いて不安になりました。買って、全員クリアして……なんとなく虚無というか…ふつうはクリアしてよかった!って思えるのですが。なんか思えなくて…。桜井様がおっしゃってることほぼ同じ気持ちでした。本当にこれ作った人ネオアンジェやったんでしょうか?もしくは、ご存じないのでしょうか、と思ってしまいました。
桜井様のおかげで少し気持ちが浮上できそうです。ありがとうございました。